アニサキス症


 アニサキスとは,クジラ,イルカなど海棲哺乳類を終宿主(最終的に寄生する生き物)とする線虫類(ミミズみたいなやつ)の総称である。幼虫は自然界で,クジラなどの餌になる魚類の内臓や筋肉内に寄生している。ヒトがこれらの魚を生で食べた場合に起こるのがアニサキス症であり,アニサキス幼虫が消化管壁に穿入し,激しい腹痛を生じ,まれには穿孔性腹膜炎や腸閉塞をも起こすことがある。発症数の実態は不明だが,報告されるものだけで年間1,000例を超え,実数はその数倍から10数倍あると考えられる。
 原因となる魚は生で食する習慣のある魚ということになるが,サバ,イワシ,アジ,イカ,サンマ,タラ,イクラなど種類は多く魚種のみからアニサキス症を否定することは困難である。(季節的には冬季に多いといわれるが,そうともいえない。)(酢でしめてもダメ。そんなことでは死にません。)
 急性と慢性,胃アニサキス症と腸アニサキス症に分類される。問題なのは急性アニサキス症である。

 早いものでは生魚摂取後1−2時間,多くは8時間以内に発症する。夜半に始まる激しい上腹部痛,下腹部痛,悪心,嘔吐などの食あたり様症状では,夕食での生魚の摂取の有無から,疑ってみるべきである。

 胃アニサキス症では,緊急内視鏡検査による虫体の確認が最善で,診断と治療を同時に行う。複数匹のこともあるので,すべてを摘出する。腸アニサキス症では内視鏡による摘出は困難であるが,多くの場合,保存的治療で数日内に自然寛解(おさまる)する。

当クリニックでの症例です。

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