SUNTANNED GIRL 菜丘桃花
めずらしく若い女性のお客だ。
この季節に小麦色,ブギーしに来たんだ。
「BINTANGください!」
海ケイ,トロピカルモード,健康的でとてもかわいい。
車は赤のチェロキー,とてもきまってる。
いい女だと,ころっと元気になる慶輔だった。
「どこから来たの?」
「ズシー」
・・・逗子?わざわざこんなところまで来るなんてよほど暇なんだ,この子プーかな。
「BINTANGおかわり!」
なかなか飲めそうだ。
「海は良かった?」
「まあまあいけてるね!」
「BINTANG好きなんですね?」
半年ほど行っていたバリでよく飲んで懐かしいそうだ。
ハワイに2泊3日しか行ったことのない慶輔はとてもうらやましく思えた。
「海に来ないときには何してるの?」
「渋谷か新宿で飲んでるか,カラオケね!」
慶輔は最近東京へ戻っていない。
ここに来てながい時間が過ぎた分けではないが,東京が懐かしく思えた。
センター街からスペイン坂を通り抜け公園通りに出て線路沿いに歩いて,結局表参道までぶらぶらしてしまう。
そんな日曜日がたくさんあった。
「カクテル作って!」
「どんな感じが好き?」
「ちょっと甘口かな!」
彼女の名前は桃花,じゃ,ピーチツリー30にレモンを10にパインジュース20,シェークシェーク,名前はとりあえずmomo。
「どうかな?」
「うまーい!」
女の子にこのてのカクテルはだいたいうけるんだよね!
じゃあ次はパッソアレディーキラー!
これも飲みやすくておいしいよね。
こうなるとその次はディターオレンジ!
ももちゃんはかるく飲み干して平然としている。
とても強い。
ところで今日はどこまで帰るのか心配になってきた。
かなりの量まで平然と飲み,突然ガックリくるタイプがある。
そうなるとゲロピートイレマンか眠り姫になっちまう。
彼女はもしかして悪魔君?
「今日はどこに泊まるの?」
「何も決めてないよ〜!」
でた,小悪魔症状!
「近くのホテルを予約してあげるよ。」
慶輔は時々飲みに来る友達の夕陽丘ホテルの専務,伸ちゃんに電話をして後を頼むことにした。
ホテルマン,伸ちゃんは快く引き受けてくれた。
気が楽になった慶輔は次のカクテルをすすめた。
ビトウィーン・ザ・シーツ,おいしいと言いながら一気で飲み干した。
そして深い眠りについてしまった。
伸ちゃんがホテルの車で来て,彼女は寝たままチェックインした。
これが菜丘桃花のBar Jijiデビューだった。
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