医者になろうと本気で決心したのはいつだったか、なんて考えてみると、実のところよく分かりません。
昔、亡父が健在な頃、夜,父が脳幹出血(橋出血だったと思います)の患者さんを診ていて、かかりっきりの時がありました。とても外科治療の対象ではなかったと記憶しています。私は受験勉強をしていたので夜中まで起きていたのですが、結局、その患者さんは午前3時頃亡くなられました。
自宅に戻ってきた父は、肩を落としポツリと言いました。
「死んじゃったよ・・・。」
今、考えるとこの時だったような気がします。
私は外科手術をしてきましたが、これも父の影響かもしれません。
これまでに何人も、神業的な手術をする医者を見てきました。でも私にとって忘れられないのは、父の行う急性虫垂炎(盲腸)の手術です。
皮膚切開1cm。そこから右小指を挿入し、盲目的に指を回転させるように探ります。しばらくして小指を引き抜くと、小指にはしっかりと虫垂が把持されていました。これを切除し、断端を処理して皮膚縫合は1針。もちろん、これは炎症の軽度な症例にのみできることですが、医者になる前の私には衝撃的でした。
内科・小児科・外科を中心に、総合的に診療をしています。
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